老人ホームに入りたくない…

老人ホームへの入居を嫌がっています。
介護認定「要介護2」の判定で87歳独居している、ご姉妹からのご相談です。

老人ホームへの入居を嫌がる方は数多く見てきています。

今まで生活されてきた家はたくさんの思い出が詰まっています。
幼少時代から住み続けているのであればなおさらでしょう。
思い出が詰まった家を離れたくない、そう考える気持ちは重々理解できます。

また、長年お付き合いしてきた、ご友人や近所の方々を失いたくないという気持ちも、大きく思っているでしょう。
例え、自宅を離れることができたとしても、介護をされるなら家族がいいと思っている方も多いです。

ある調査によると、「介護を受けたい場所」という質問に対して、
男性の約58%、女性の34%が「自宅」と回答しています。
理由は、「住み慣れた場所で生活したい」「費用がかかる」などがあります。
また、入居拒否の理由としては、老人ホームに対するイメージが、「自分は見捨てられた」と感じてしまい、
老人ホームを姥捨て山のように暗いイメージを持っている方がまだまだ多いです。

入居に対しマイナスな理由は色々です。まずは何が嫌なのかを本人から聞き、入居の方法をまずは話してみましょう。
例えば、思い入れのある自宅から離れたくない場合ならば、ご自宅近くのホームを選ぶことですぐに帰宅できます。
費用がかかるから嫌だと考えているのであれば家族が協力して負担する方法や少し郊外のホームも選択するのもありです。

老人ホームにマイナスイメージを持っている方であれば、パンフレットを見せたり、見学に行くことで考えが変わることがあります。
実際の施設の雰囲気を見てもらったりサービス内容の説明を受ければ、具体的なイメージも想像できるかと思います。
またご家族がいる近くの老人ホームを選べば、家族は頻繁に会いに行けますし、またお孫さんに会える回数も多くなると思います。
時間がかかるかもしれませんが、ひとつひとつの不安や悩みを解決していくことが大事です。

ご家族が老人ホームを勧めるのは、ご本人を心配してのことをしっかり伝え、
本人のお考えや思いを確認しながら、言葉で伝えてれば必ず納得してくれます。
大切なご家族だからこそ安心できる生活をしてほしい、など言葉にすることも大事です。
また第三者を交え話し合いをするのも有効です。

最後に注意点をお伝えします。
双方で焦りは禁物です。無理やり老人ホームに入居しても、本人にとってもご家族にとっても幸せとは思いません。
高齢者にとって新しい環境に飛び込むのは、精神的なストレスにも不安でもあります。
ゆっくりと時間をかけることが大事です。